星を探して

大切な人との楽しく幸せな日々、5羽の愛するオカメインコ、大好きなコスメなどについて綴ってます。詩も載せていましたが現在は書いていません。

灯篭流し

この夜は死んだ人に会える日
そんなの信じるわけないでしょ
だってあなたはあの日から一度も帰ってきてくれない

ゆらゆらと揺れる灯篭にわたしの命をのせて
引き換えにあなたがこの世に帰ってくるなら
月になってあなたを照らし続けよう

死んだ人を見送る夜
なぜあなたを灯篭にのせて
行かせなきゃいけないんだろう
帰らせるわけないでしょ まだ会えてもいないのに

ゆらゆらと揺れる無数の淡い光
探しても探しても
あなたが見つからない
頼りになるのは月明かりだけ
暗い水鏡にあなたがいる世界を映せたらいいのに
あなたを見つけたらもう二度と帰さない
その手を掴んでこの世に引っ張り上げるから
あなたをのせる為の灯篭なんかいらない

あなたの身体 焼いてしまってごめんね
帰る場所がないんだよね
あなたの大好きな花を敷き詰めたまま
花葬にしてあげられてたら
いつかあなたはその目を開けてくれたのかな
やわらかな香りに誘われる蝶のように…

ゆらゆらと揺れる灯篭の一つに この命のせたら
あなたに会いに行けるのかな
この身体が邪魔だね
きっとこのままだったら灯篭は沈んじゃう
死んだ人を見送る夜に
無数の淡い光の中 入水する この身体から抜け出して
あなたに会いに行く舟に乗りたい

輪廻転生さえ待つことできない
現在(いま)という時間が流れるこの世で
もう何もあなたにしてあげられないことが悲しいだけ
その声が記憶から消え入りそうなのが怖いだけ

だからこの夜も
無数に流れていく灯篭に あなたをのせるわけない
淡い光をかき分けてあなたの姿を探すだけ
帰る場所 ここにあるから
もうどこにも行かなくていいの
あなたがのった灯篭見つけたら
この両手で抱えて離さない
そのまま一緒に深い水に沈みゆくとしても…

近づく雲に月隠されて
陰る灯篭にこの命のせて
引き換えにあなたをこの世に帰す
あなただけの月になるから
最後の日が来るまであなたを照らし続けたい

冷たい雨の中
あなたは迎えに来てくれるのを待ってたのでしょう?
なぜわたしじゃなくてあなただったんだろう
あなたに重くのしかかってた痛みや苦しみ悲しみ
全部わたしが身代わりになれたらよかったのに
あなたを守ることできなくて
なんの為に生まれてきたのかわからない

ゆらゆらと揺れる灯篭にあなたの命のって
あの世へ向かう流れに逆らって
帰ってきてくれる夜を待つわたしを
淡い光たちが通り過ぎていく

暗い水鏡を覗き込んでもわたしの顔しか映らなくて
あなたの身代わりになれなかった罪にこの身体は沈みゆく
どんなに手をのばしても あなたの影さえ掴めない
灯篭にのることさえできないこの夜は
あなたとの永遠の別れを思い知らせる

消えゆく月は闇をもたらして
死んだ人に会えると思っていた夜は
虚しく終わりを告げる
この身体は一人 灯篭が流された水に浸かったまま
沈みゆくのを待って 岸に上がれないでいる

 

2017.8.10