星を探して

大切な人との楽しく幸せな日々、5羽の愛するオカメインコ、大好きなコスメなどについて綴ってます。詩も載せていましたが現在は書いていません。

失くしたもの

静まりかえった空に横たわる半身の月
何か言いたげにその身は霞んでいる

積み重なった本 あなたへの想い物語る
今夜、全部ひっくり返す そう魔法をかけるように
時計の針をあなたがいなくなった日に戻して

あなたが最後に歩いた道を辿るの
唯一の同士、あの月に問いかけながら
残り香のようなあなたの想いを拾うように
あの後姿を捜して追いかけていく

ねえあの日からずっと
同じ言葉を繰り返してるよ
“どこに行ってしまったの?早く帰ってきてよ”
あなたが「ただいま」って言ってくれるのを
ずっとわたしは待っているんだって
気づいちゃったの

綺麗に一掃された蒼ざめた空に月独り
世界が映し出されると同時に
たった一人きりだということを浮き彫りにされる

星屑を集めたごみ箱をひっくり返して
あなたのまばたき、匂い、声を探してみても
もう二度と空には浮かばないんだね
そのどれもが光を失ったから

“おやすみ”の言葉を言わないまま
目を閉じたあなたを見つけたあの日からずっと
“おかえり”の言葉も言えないままだよ
だってあなたは帰ってきてない
体は体でしかないこと 知ったから
あなたはどこで眠ったままなの?
あなたの帰りをずっと待っているのに

あの日降った雨がこの胸に降り続けている
この世に流れる時間が
指で簡単に戻せる時計の針だったなら
永遠に止まない雨はないよね
あの日に戻れたなら傘を持ってあなたを迎えに行くのに

そうあの日からずっと
立ち止まったままのわたしがいるの
どれだけ時間が過ぎても
わたしがどんなに歩いて行っても
ついてきてくれない心が あの場所に取り残されてること
気づいていても
わたしは取り戻しに行けない
あなたの失った体温でしか動かすことはできないから

あなたは最後に歩いた道を どんな想いで辿ったの
夜空を見上げても これから先わたしの瞳には
満たされない心で寂しげな月しか映らないんだね
いつまでも聞き分けの悪いわたしが
あなたを待ってることで
あなたが動けなくなることにも
ほんとうは気づいている

半身に落とされた暗い影 自分の一部を失くしたんだね
満たされない痛み知る月と 背中合わせになって膝を抱える
足りないもの埋めるように……

 

2009.7.1